TOPへ





劇団道学先生主宰・俳優 

青山 勝



「――映画やテレビの監督が舞台の演出をして良かったのを見たためしがない。逆も似たようなものだろう。そう思って、ダマサレタつもりで会場にむかった。
 渋谷の雑居ビルの最上階にあるライブハウスに即席のスクリーンを吊るした試写室は、映画というよりブルーフィルムの上映会といった雰囲気で、ダマサレタ感はより強いものとなった。
 (終わってから北見さんに感想を聞かれたらどうしよう……)
 始まる前から思いっきりおよび腰ではあったが、オムニバスの三本目、四本目……と観るうちに、気がつくと、思いっきり前のめりになっていた。
 さりげなくて気のきいたセリフと若い役者たちの抑制のきいた演技。妙な緊張感のただよう客席で、笑い声をがまんするのに苦労した。テレビのバラエティや演芸場とは違う笑いを味わったのは久しぶりだった。
 ダマサレタつもりで行ってみて良かった」